| スターの資質
東京六大学野球で「ハンカチ王子」こと斉藤祐樹投手のいる早稲田大学が優勝した。前日に負けての登板で、勝ち投手で優勝だ。夏の甲子園で優勝し、大学野球でもいきなり優勝投手。これこそスターと呼ぶのにふさわしいだろう。
天性の素質と日々の努力、厳しいトレーニングを重ねた結果、このように脚光があたる、と言ってしまえばその通りなのだが、同じように実力のある選手はいくらでもいる筈なのに、斉藤投手ばかりが注目される。
それは実力以外に、運命というか宿命や巡り合わせという科学的には証明できない何かが備わっている気がしてならない。昨年の夏の甲子園決勝戦でも、引き分け再試合になった末、最後に迎えた打者は死闘を繰り広げてきた相手のエース「田中将大」投手。ファールで粘る田中を最後は三振で抑えてゲームセット。漫画の「タッチ」さながらのシーンで、これが現実の世界にあった、まさに「筋書きのないドラマ」だろう。
1998年の夏の甲子園でもドラマがあった。主役は松坂大輔投手。PL学園との死闘後の準決勝の相手は明徳義塾。前日の疲労で松坂はベンチスタートで、試合は明徳義塾の一方的な試合展開。満を持して松坂が登板すると最後には6点差をひっくり返してサヨナラ勝ち。
人が予測し得ないことや奇跡と思えることが現実に起こる。その演出は誰が仕込んだものでもなく、スターとなる人のところに訪れるという運命のような、自分ではどうしようも操作できない何かがある気がしてならない。
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